ノンクリスチャンディレクターのつぶやき #03 「音楽が人生を変える」
連載長谷川繁 長谷川繁

突然だが音楽で人生が変わることはあるだろうか。
答えは人によって「Yes」でもあり「No」でもある。
ちなみに筆者は言うまでもなく音楽で人生が変わった人間である。

では人生を変えたいと思って音楽を聴く人はいるだろうか。
妙に聞こえるかもしれないが、新しい音楽を求める人は、小さな人生の変化を潜在的に求めているのではないかと筆者は考える。

音楽で気分が変わることも、その人の小さな人生の変化といえる

日本レコード協会の「音楽メディアユーザー実態調査」によると、
音楽に対する完全なる無関心層(無料であっても全く音楽を聞かない)の割合は、
全体の34.6%を占めるそうだ。
つまり国民の3人に1人は、音楽に対して無料有料に関わらず全く興味をもってないといえる。

しかし大学生まではこの無関心層は10%程度しかなく、有料でも音楽を聞く割合は60%近くまであるそうだ。
逆に30代を境に無関心層の割合は増加し、60代では50%近くが音楽に対し無関心になる。

要は音楽を買うか・求めるかどうかは個々の経済状況の如何ではなく、個々の気持ちによるものである。
またこの世代別の結果から見ても、人生における変化を潜在的に求めている人が音楽を求めると言っても、あながち間違いではないのではないかと思われる。
以下は先日筆者が大学のイベントで、音楽ビジネスを専攻している学生に烏滸がましくも話した内容であるが、
「自分の想定できる成功で大したものはなく、大きな成功は自分の想定の外側にある。
なぜなら世の中の知識や事実のほとんどは、自分の外側にあるのだから。」

常に新しいものを求めて、新しい挑戦・新しい価値観を得る。
その中に新しい音楽を求めることも含まれるのではないだろうか。

参考:日本レコード協会『音楽メディアユーザー実態調査』

長谷川繁
ゴスペル・デイレクター

ノンクリスチャンディレクターのつぶやき #01 「ノンクリスチャンがゴスペルを歌っていいのか!?」
連載長谷川繁 連載 長谷川繁

ノンクリスチャンがゴスペルを歌っていいのか!?

筆者がNYのブルックリンに滞在して、ヒスパニック系の教会に通っていたとき、教会を通じて仲良くなった現地の友人に驚かれたことがある。

「日本にはゴスペルのスクールがあるの!?信じられない!」

1990年代のゴスペルブームによって、今やゴスペルは日本でもメジャーな音楽となったが…

現在日本では、ゴスペルが英会話やヨガのように、一つの「習い事」として定着してきたように思うが、習い事としてゴスペルを歌うのは日本だけ(もしくは数カ国だけ)の特殊なケースのようだ。

その特殊なケースであるが故か、よく筆者の生徒(ノンクリスチャン)から「ノンクリスチャンなのにゴスペルを歌っていいか迷う時がある」と言われることがある。

確かに宗教音楽であるゴスペルをノンクリスチャンが歌うべきか、クリスチャンはそんな自分たちに実は怒っているのではないか、そう不安に思う人も少なからずいるだろう。

しかし筆者の結論は、「もちろんイエス(歌ってもいい)」である。

これには筆者なりに2つの大きな理由がある。

まず宗教的に。
クリスチャンであるかどうかは本来本人と神様の間の関係性であって、他人がそれについてとやかく言うものではないのである。
(ブルックリンの教会での聖書勉強の先生曰く。もちろんこれは宗派にもよるだろうし、とやかく言う人は実際いるが)

なのでクリスチャンでなく歌うことにすごく抵抗があるなら、単純に洗礼を受けてクリスチャンになればいいし、そんなに抵抗がないならすでに神様との関係性は良好であるから、あえて変化する必要はない。

また文化として。
冒頭触れたように、「ノンクリスチャンがゴスペルを歌う(習う)」ことは非常に特殊なケースである。
しかしそれは決して悪いことではなく、筆者からすれば宗教や観念を抜きにして音楽の魅力そのものを評価し、ひいては現在一つの文化にまで発展・昇華させた、「ノンクリスチャンによるゴスペル」は日本人の誇るべき特性の一端である。(もちろんその上で宗教や観念について敬意を払うべきではあるが)

これら2つの理由からして、「ノンクリスチャンがゴスペルを歌うこと」は、宗教的に咎められるものではないし、むしろ日本人の特性として誇るべき文化なのである。

冒頭の会話には続きがある。

(友人)「日本にはゴスペルのスクールがあるの!?信じられない!」
(私)「そうなんだよ!日本ではゴスペルの音楽だけを抜き取って、一つの特殊な文化を作ったんだ!すごいでしょ!」

多くのノンクリスチャンでゴスペルを歌う人が、
自分たちの文化に誇りを持って欲しいと願ってやまない。

長谷川繁
ゴスペル・デイレクター

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